話は少し戻る。
すべてが崩れ始めた、あの頃へ。
鳥羽・伏見の戦い。
あの戦いで、時代は確実に動き出した。
それまで信じていたものが、
静かに崩れていく。
それでも彼らは、まだ終わりだとは思っていなかった。
江戸へ戻り、立て直す。
もう一度、戦える形にする。
その中心にいたのが、
近藤勇だった。
だが――
状況は、想像以上に厳しかった。
江戸へ戻った新選組だったが、
流れは止まらない。
むしろ、悪化していく一方だった。
そして、再起をかけた戦い。
甲州勝沼の戦い。
ここでも、流れを変えることはできなかった。
敗北。
その結果、新選組はまとまった戦力を維持できなくなり、
組としての形は大きく崩れていく。
事実上の崩壊――
そんな言葉が、現実味を帯び始めていた。
敗走の中で、近藤は隊から離れる。
それは終わりではなく、
次につなぐための選択だったはずだった。
だが、その先にあったのは――
捕縛。
新政府側に見つかり、
ついにその身を拘束される。
刀を振るうこともなく、
仲間と共に戦うこともなく、
局長は奪われた。
その後、彼は江戸へ送られる。
そして、待っていたのは尋問。
逃げ場のない現実の中で、
すべては静かに進んでいく。
やがて――
1868年。
処刑。
それはあまりにも、あっけない最期だった。
戦場で散ったわけではない。
だが確かに、
時代の流れの中で討たれた最期だった。
それは一人の男の終わりであると同時に、
新選組にとって大きな転機でもあった。
けれど――
すべてが消えたわけではない。
土方歳三は、戦うことをやめなかった。
局長を失ってもなお、
その意志だけは、残り続けていた。
だからこそ彼らは進む。
北へ。
失ったものを抱えたまま、
それでも戦うと決めた者たちとして。


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