2026年3月18日水曜日

大坂夏の陣シリーズ③ 籠城か決戦か、豊臣軍に残された最後の選択


戦の気配は、もはや隠しきれなかった。

迫り来るのは、 大坂夏の陣。

徳川の大軍が動き出し、 その足音は確実に豊臣のもとへと近づいていた。

だが――

この時、豊臣方には一つの問題があった。

「どう戦うのか」

それは、あまりにも重い問いだった。

かつてであれば、答えは決まっていた。

籠城。

天下の堅城、**大坂城に立てこもり、 敵を迎え撃つ。

それが豊臣の戦い方だった。

だが、その前提はすでに崩れていた。

先の大坂冬の陣の講和によって、 城の堀は埋められ、防御は大きく削がれている。

かつてのように時間を稼ぐことも、 敵の攻撃を防ぎきることも難しい。

つまり――

籠城という選択は、もはや「安全な策」ではなかった。

それでも、城にこもるという道は残っている。

戦わずして時間を稼ぐ。
あるいは、何らかの変化を待つ。

だが、その時間すら、徳川が与えてくれるとは限らない。

一方で、もう一つの選択肢。

決戦。

城を出て、野で戦う。
正面から徳川軍とぶつかる。

だがそれは、 兵力差を真正面から受け止めることを意味していた。

徳川軍、およそ十五万。
豊臣軍、その半数。

数で劣る側が、野戦を挑む。
それがどれほど危険な賭けであるかは、誰の目にも明らかだった。

守れば削られる。
出れば押し潰される。

どちらを選んでも、容易な道ではない。

それでも、選ばなければならない。

この戦は、避けられない。

豊臣方は、静かにその決断の時を迎えていた。

やがて一つの方向へと、流れは傾いていく。

籠もるか。 打って出るか。

その選択が、この戦のすべてを決めることになる。

そしてその先に待つのは、 天下の行方を左右する一戦――

徳川の頂点、徳川家康**との、避けられぬ衝突であった。

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