2026年3月19日木曜日
大坂夏の陣シリーズ ⑤ 最後の希望、真田幸村という男
すべては、もう崩れかけていた。
前回、追い詰められた現実を見た豊臣方。
兵の数も、士気も、状況も、どれを取っても厳しい。
そして次に来るのは、決戦。
その狭間にあったのが、「最後の希望」という時間だった。
その中心にいたのが、
真田幸村である。
彼の存在は、単なる一武将ではなかった。
「まだ終わっていない」
そう思わせるための、象徴のような存在だった。
大坂城の中には、諦めに近い空気も流れていた。
冬の陣で外堀を埋められ、守りの力は大きく削がれている。
もはや籠城して勝てる状況ではない。
だが、それでも戦は終わっていない。
幸村は、その現実を誰よりも理解していた。
守れない城で守ろうとすれば、ただ削られるだけ。
ならば、やるべきことはひとつ。
「攻めるしかない」
だがこの時点では、まだ具体的な勝ち筋は見えていない。
ただ、方向だけは決まっていた。
守りではなく、攻め。
待つのではなく、動く。
この「方針の転換」こそが、
次回へとつながる重要な一歩だった。
豊臣方の中には、意見のばらつきもあった。
籠城を続けるべきだという声。
野戦に出るべきではないという慎重論。
その中で、幸村の考えはある意味で異質だった。
だが同時に、それは最も現実的でもあった。
「このままでは負ける」
その前提を受け入れたうえで、どう動くか。
そこからしか、逆転の可能性は生まれない。
彼の周りには、少しずつ人が集まっていく。
絶望の中でも、まだ何かを変えられるかもしれない。
そう思わせる力が、そこにはあった。
そして、戦は目前まで迫っていた。
大坂夏の陣。
次に描かれるのは、
その中で彼が見出した「勝ち筋」。
それは奇策か、それとも必然か。
すべてをひっくり返すための一手が、
静かに形になろうとしていた。
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