幕末の戦いが終わったとき、
そこに残っていたのは勝者でも敗者でもなかった。
ただ――
静かに燃え続ける「火」だった。
高杉晋作が作った奇兵隊は、
身分という壁を壊した存在だった。
武士だけが戦う時代に、
農民も、町人も、志さえあれば剣を取る。
それは単なる軍事的な発想ではない。
「この国は、誰のものなのか」
その問いに対する、
一つの答えだった。
だが晋作自身は、その先を見なかった。
いや、正確には――
“見られなかった”。
若くしてこの世を去った彼は、
自分の作った火が、どこまで広がるのかを知らない。
それでも火は消えなかった。
奇兵隊の思想は、やがて明治という新しい時代に引き継がれていく。
身分制度は崩れ、
「生まれ」ではなく「能力」で道が決まる社会へ。
もちろん、それは理想通りではなかった。
新しい時代にも、
別の形の不平等は生まれていく。
それでも――
確かに変わったものがある。
今、私たちは
特別な家に生まれなくても、
学び、働き、選ぶことができる。
それは当たり前のようで、
当たり前ではなかった。
奇兵隊が壊したのは、
ただの制度ではない。
「どうせ無理だ」という空気だった。
あの時代、
名もなき人たちが一歩踏み出したことで、
歴史は動いた。
その事実だけは、
今も変わらない。
だからこそ思う。
もし今、何かを変えたいと思ったとき。
その一歩は、
決して小さくはない。
高杉晋作が残したもの。
それは英雄の物語ではなく、
誰かが火を受け取ることで、
未来へとつながっていく“意思”だった。
そしてその火は――
きっと、まだ消えていない。
静かに、
この時代のどこかで、燃えている。
---高杉晋作の戦いシリーズ 完
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