2026年4月1日水曜日
新選組最後の戦いシリーズ④ 北へ――それでも戦うと決めた男たち
江戸を離れる――
それは終わりではなかった。
むしろ、彼らにとっては「ここからが本当の戦い」だったのかもしれない。
幕府という大きな後ろ盾は崩れ、
時代は確実に新しい流れへと傾いていた。
それでも、新選組は刀を置かなかった。
彼らが選んだのは、「北へ向かう」という道だった。
中心にいたのは、やはり
土方歳三。
冷静で現実を見据えながらも、
その胸の奥には消えない炎があった。
「ここで終わるわけにはいかない」
その想いが、彼を北へと向かわせた。
一行は会津へと向かう。
会津は、最後まで幕府側として戦い続けた地。
そこにはまだ、
“同じ側に立つ者たち”がいた。
だが――
現実は甘くなかった。
物資は乏しく、兵力も限られている。
そして何より、戦況はすでに決していた。
それでも彼らは戦う。
勝つためではない。
“貫くため”に。
かつて京都で名を馳せた剣士たちも、
この頃にはすでに数を減らしていた。
戦いの中で散った者、
病に倒れた者、
そして、それぞれの道を選び去っていった者。
仲間の顔を思い出すたびに、
胸に静かな重さが積もっていく。
それでも歩みは止まらない。
北へ。
さらに北へ。
やがて彼らは、
蝦夷地へと向かうことになる。
そこには、まだ“可能性”が残っていると信じて。
夜の行軍。
冷たい風。
静まり返った道。
その中で、誰も多くを語らない。
だが、それぞれの心の中には
同じものがあったはずだ。
――もう戻れない。
――それでも進む。
それは、意地だったのかもしれない。
それとも誇りだったのかもしれない。
ただひとつ確かなのは、
彼らが「終わり方」を選んでいたということ。
時代に流されるのではなく、
自分たちの意思で最後まで戦うという選択。
その姿は、どこか静かで、
そしてどうしようもなく切なかった。
次第に減っていく仲間たち。
それでも進むしかない道。
その先に待つものを、
彼らはまだ知らない。
――それでも、歩みを止めなかった。
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