2026年4月22日水曜日

平家シリーズ⑤ 「失われていくもの」

平敦盛

戦は、少しずつ形を変えていく。
最初は勢いだった。
誇りもあった。
まだ、どこかで勝てると思っていた。

けれど、気づけば違うものが消えていく。

名もなき兵だけじゃない。
これから先を担うはずだった、若い命が次々と途切れていく。

そのひとつひとつは、小さな出来事に見えるかもしれない。
でも、それが積み重なったとき、
もう元の平家には戻れなくなっていた。

戦場に立つ者の目も変わる。
かつての余裕は消え、
どこかで「終わり」が近づいていることを感じていた。

そして、その象徴のような出来事が起きる。

平敦盛の死。

まだ若く、戦よりも雅を知る少年だった。
笛を愛し、都の空気の中で生きてきた存在。

本来なら、戦場に立つ必要のない命だった。

それでも、彼はそこにいた。
逃げることもできたはずの海辺で、
振り返り、武士として向き合った。

その瞬間、何かが完全に変わった。

これはもう、ただの戦ではない。
時代そのものが、優雅さを切り捨て始めた瞬間だった。

敦盛の命とともに、
平家が持っていた「美しさ」や「余裕」も、確かに失われていく。

残っていくのは、
ただ、生き残るための戦だけだった。

そしてその先にある結末は、
もう誰の目にも、うっすらと見え始めていた。



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ここまで読んでくれて、ありがとうございます。

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そっとのぞいてみてください。


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