戦は、少しずつ形を変えていく。
最初は勢いだった。
誇りもあった。
まだ、どこかで勝てると思っていた。
けれど、気づけば違うものが消えていく。
名もなき兵だけじゃない。
これから先を担うはずだった、若い命が次々と途切れていく。
そのひとつひとつは、小さな出来事に見えるかもしれない。
でも、それが積み重なったとき、
もう元の平家には戻れなくなっていた。
戦場に立つ者の目も変わる。
かつての余裕は消え、
どこかで「終わり」が近づいていることを感じていた。
そして、その象徴のような出来事が起きる。
平敦盛の死。
まだ若く、戦よりも雅を知る少年だった。
笛を愛し、都の空気の中で生きてきた存在。
本来なら、戦場に立つ必要のない命だった。
それでも、彼はそこにいた。
逃げることもできたはずの海辺で、
振り返り、武士として向き合った。
その瞬間、何かが完全に変わった。
これはもう、ただの戦ではない。
時代そのものが、優雅さを切り捨て始めた瞬間だった。
敦盛の命とともに、
平家が持っていた「美しさ」や「余裕」も、確かに失われていく。
残っていくのは、
ただ、生き残るための戦だけだった。
そしてその先にある結末は、
もう誰の目にも、うっすらと見え始めていた。
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