2026年4月19日日曜日

平家シリーズ② 「頂点に立った一族」

平家の人間が並ぶ

気づけば、都の空気はすっかり平家のものになっていた。

朝廷の中枢には平家の人間が並び、
重要な役職も、決定も、流れも――
すべてが自然と彼らを中心に回っていく。

もはや、無視できる存在ではなかった。
というより、「避けて通れない存在」になっていた。


平清盛は、その中心に立っていた。

武士でありながら、朝廷の中で力を持ち、
貴族社会の中に深く入り込んでいく。

それは、それまでの時代にはなかった流れだった。


娘を天皇のもとへ嫁がせ、
ついには、外祖父として権力の頂点に近づく。

「武士がここまで来たのか」

そんな驚きとともに、
平家の存在は、都の“当たり前”になっていった。


けれど――

光が強くなればなるほど、
その影もまた、濃くなっていく。


平家が栄えれば栄えるほど、
その外にいる者たちは、少しずつ距離を感じ始める。

貴族たちの中にも、
「どこか行き過ぎているのではないか」
という空気が、静かに生まれていた。


そして武士たちの間にも、
言葉にはならない違和感が広がっていく。


力は、確かに手に入れた。

けれどその力は、
すべての人に歓迎されているわけではなかった。


ほんのわずかな歪み。

まだ誰も、それをはっきりとは口にしない。

けれど確実に、
何かがずれ始めていた。


そしてその小さな違和感は、
やがて無視できない流れへと変わっていく。


――頂点に立ったその瞬間から、
物語は、静かに次の局面へと進み始めていた。



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