その決断は、勢いでも覚悟でもなく、
もはや“選択肢がそれしか残されていなかった”という現実だったのかもしれない。
昨日まで隣にいた者が、今日はもういない。
名前を呼ぶことすらできないまま、土に還っていく。
それでも隊は進んだ。
だが、この頃になると、
その「誠」は少しずつ形を変えていたのかもしれない。
幕府のためか、
武士としての意地か、
それとも――ただ、ここで立ち止まれなかっただけなのか。
この戦いに、勝ちはない。
逃げることはできた。
だが、それは彼らにとって“生きる”ことではなかった。
冷静で、合理的で、そして誰よりも戦うことをやめなかった男。
彼自身もまた、
勝つためではなく、
「最後まで貫くため」に戦っていたのだろう。
足跡はすぐに消える。
まるで、彼らがここにいた証すら、
残してはいけないかのように。
それでも進むしかなかった。
進むことをやめた瞬間、
すべてが終わってしまう気がしたから。
彼らは、そこへ向かって歩き続けた。
すべてを懸けた戦いが、
静かに、確実に近づいていた。
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