刀の時代は、
静かに終わろうとしていた。
汽笛が鳴り、
洋装の軍隊が行進し、
新しい日本が形を持ち始める。
その流れの中で立ち止まった男がいる。
西郷隆盛。
舞台は、
西南戦争。
彼は時代に逆らったのか。
それとも、
時代に問いを投げたのか。
熊本城の空は重く、
田原坂は泥に沈む。
銃声が響くたびに、
一つの時代が削られていく。
それでも刀を握る。
退かず、媚びず、
ただ前を向く。
合理性ではなく、
信念で立つ姿。
勝敗は最初から決まっていたのかもしれない。
近代国家の軍隊に、
士族の集団が勝てるはずはない。
それでも戦った。
それが彼らの答えだった。
城山の朝。
静かな空気の中、
西郷隆盛はその生涯を閉じる。
勝者は歴史を作る。
だが、
魂を残すのは敗者かもしれない。
ラストサムライとは、
最後まで刀を持っていた者のことではない。
最後まで誇りを持っていた者のことだ。
時代は進む。
だが、
あの背中は今も語りかけてくる。
本当に古かったのは、
刀なのか。
それとも、
信念を笑う私たちなのか。
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